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検査

寸法、膜厚、欠陥、電気特性を測って歩留まりを管理する

検査は、工程が狙い通りに進んでいるかを測る工程である。半導体製造では、完成後に良品かどうかを見るだけでは遅い。数百工程の途中で寸法、膜厚、欠陥、電気特性を確認し、問題があれば早い段階で止める必要がある。

検査には大きく、寸法や膜厚を測るメトロロジーと、欠陥を探すインスペクションがある。さらに、ウェーハ上のテスト構造を測る電気検査も重要である。

何を測るか

プロセス中に測る代表的な項目は次の通りである。

対象指標目的
リソグラフィCD、オーバーレイ、焦点パターン寸法と重ね合わせを確認する
成膜膜厚、屈折率、応力膜質と均一性を確認する
エッチング残膜、深さ、側壁角削りすぎや削り残しを防ぐ
CMP平坦性、ディッシング多層化できる表面か確認する
洗浄パーティクル、金属汚染欠陥原因を除去できているか確認する
電気特性抵抗、リーク、しきい値デバイスとして成立しているか確認する

すべてのウェーハのすべての場所を完全に測ることはできない。測定時間もコストなので、重要工程や代表点を選び、統計的に管理する。

CD とオーバーレイ

CD は Critical Dimension の略で、線幅や穴径のような重要寸法を指す。CD がずれると、トランジスタのゲート長、配線抵抗、コンタクト抵抗が変わる。

CD 測定には CD-SEM がよく使われる。電子線でパターンを観察し、線幅やエッジ位置を測る。微細パターンでは、平均線幅だけでなく LER や LWR のようなエッジ粗さも問題になる。

オーバーレイは、前の層と次の層の重ね合わせ誤差である。コンタクトが拡散層から外れたり、ビアが下層配線に乗らなかったりすると不良になる。露光装置の位置合わせだけでなく、ウェーハの歪み、膜応力、熱履歴もオーバーレイに効く。

膜厚と材料評価

膜厚はエリプソメトリ、反射率測定、XRF、四探針測定などで測る。絶縁膜では厚さや屈折率、金属膜では膜厚やシート抵抗が重要になる。

膜の評価では、厚さだけでなく組成や密度も見る。たとえば low-k 膜では誘電率、吸湿、プラズマダメージが問題になる。バリアメタルでは薄すぎると拡散を止められず、厚すぎると配線抵抗が増える。

欠陥検査

欠陥検査では、ウェーハ表面の粒子、傷、パターン欠け、ブリッジ、残渣を探す。光学検査では広い範囲を高速に見られるが、微細な欠陥の分類には電子顕微鏡によるレビューが必要になる。

欠陥はランダムに出るものもあれば、特定の装置、材料、レイアウト密度、ウェーハ位置に依存して出るものもある。欠陥マップを見て、リング状、放射状、特定ショットのみなどの分布を読むことで原因を絞り込む。

電気検査

プロセス途中や完成ウェーハでは、テスト構造を使って電気特性を測る。

  • シート抵抗: ドーピング濃度や金属膜の指標
  • コンタクト抵抗: 接続の良否
  • リーク電流: pn 接合や絶縁膜の品質
  • しきい値電圧: トランジスタ特性
  • リングオシレータ: 回路速度の指標
  • SRAM ビットセル: 微細ばらつきや欠陥の感度が高い

電気検査は、形状検査では見えない不良を検出できる。たとえば見た目には穴が開いていても、底に薄い残渣があればコンタクト抵抗が上がる。

フィードバック

検査結果は、工程条件へ戻される。膜厚が厚ければ成膜時間を補正し、CD が太ければ露光量やエッチング条件を調整する。前工程の測定結果を後工程の条件に反映することもある。

量産では SPC によって工程ばらつきを監視する。平均値だけでなく、ばらつき、外れ値、装置間差、ロット間差を見る。検査は不良を見つけるためだけでなく、不良が増える前に工程のずれを検出するための仕組みである。

半導体製造の歩留まりは、測れないものは改善しにくい。検査は製造ラインの目であり、各工程を安定して量産へつなぐための基盤である。